【シャローパーク】
・・
って今気づけば我ながら変な愛称を付けたものだと思いますが、
もともと比較的広場のようになっている あの場所に、本来 割と深場に多く見られる
ソフトコーラルの仲間たちの 小さなもの がた〜くさんあって、またそこでは
季節ごとに 変化のある海洋生物たちがいろいろ見つかって、カメラで写してみると
それらがとても色美しく、まるでミニチュアの箱庭のなかで撮影したようだった・・
借りてきた表現ですが、本当にパレットの中のようとか、ドロップをまき散らした
・・とか言われたら、想像しやすいほどのロケーションの場所だからということで
比較的浅いところ(シャロー)の公園(パーク)のような場所をイメージして勝手に
愛称としていた訳ですが、まぁそんなことはちょっとおいといて・・・、
そう、そのシャローパークが今、何とも無残な状態になっているのです。

 〇〇ハゼのペアの巣穴のひとつの 穴の上にも、〇〇スズメのペアが新居としよう
としていた あの場所にも、最近繁盛店になりつつあった あのエステサロンの
あの場所にも、アカハタのお気に入りの休憩所 のカイメンにも、1枚の写真の中に
素晴らしく多色を写し込むことが出来た 超ナイスな背景 となったあの段差の場所にも
さらには、ずっと観察し続けていた〇〇エビの幼体が入っていたあの穴の前にも、
やっとエビも住み着いたイソギンチャクの小さなものの上にも・・とにかくあちこちに
そうあちこちに美しくない石?岩?小石の山?がひっくり返って乗っかっていて・・。
   涙でマスクが曇ります。。。

 それぞれ「海洋生物」の彼らが 生きていくのにいろんな条件が整った 大切な場所
であって、豊かな自然の中で そこを選んでいる 彼らのことを、もう少し気にして
守ってあげて欲しい・・。残念・・。

 もともと、あの周辺でウミウシがザクザク見つかったことで、ガイドブックの作成にも
繋がったエリアですし、レアな生物や季節の生物の登場も多く確認できている魅力的な
ポイントのひとつなのです。もちろんイルカやカメ・マンボウ・マグロ・マンタに・ニタリ
・ハンマーヘッド・ノコギリザメ・ナヌカやオオセなどサメ類との遭遇もブリやシイラの大群
との遭遇・クジラの目撃例もあり大物海洋生物との遭遇も本当にこのエリアは飛び抜けています。

 いままで、海中ガイドとして過ごしてきた中でも、今回のここの状態はあまりにも醜く、
未確認ですがきっと それほどまでしてでもマーキングしたい生物がある?いる?もしくは
コースの目印?? なのでしょうか?? アイドルと称された生物達が近場の1の根や砂場
などで現れたときですら ここまでひどいことにはなっていなかったと記憶しています。

 特に近年は多くのガイドさんたちが、忙しい合間を縫って海中を繰り返し修練し、
より魅力的な生物をゲストの皆様にご紹介しようと努力しているので、その大自然の
美しさそのままを 極力大切にしてほしいと 心から願わずにはいられません。

 伊豆の多くの水中ガイドさんは海中ジオも同時にそれぞれのゲストさんにご案内して
いると見聞きしています。なので、この悲しい現実に私と同様のやるせない思いを抱いて
いる方々は少なくないと思います。 また、このエリアは熟練のダイバーさんたちが多く
楽しんでいる場所と認識しています。その方々も同様の思いと勝手ながら推察致します。

  ・・もちろん、これらの全てが人災とは断定できませんが・・。

 とくにブリマチ側は波や流れが極端で、とても大きな岩が倒れていることもまれでは
ありません。また、この頃は根を形成している溶岩が大きくボロボロと崩れていることが
多くなっています。実際に潜っている最中に崩落の現場に居合わせることもあります。
 柱状節理のすき間などで前日に確認した生物を翌日に再確認にいくと、落石等でその
周辺が大きく様変わりしているということも近年は本当に多くあり、水冷自破砕溶岩の脆さ
などがその影響なのではと、これもまた、自然・・と受け止めてはいますが、なるべく
人間の都合で海洋生物たちに不都合を与えることは避けたいと、自省を含めて 
長くなりましたがここに愚痴って 明日からに切り替えたいと思います。

 また、ゲストの皆様方にもご協力のお願いです。被写体を美しくカメラに収めたい気持ちは
充分理解できます。でも?いいえだからこそ!その被写体を含めた周辺も是非!美しいまま
残し、守っていきましょう☆ 出来る事は簡単なことからで、海中にゴミを残さない とか
観察のため動かした生物や石などはもとに戻す とか、なるべく着底時は生物にダメージを
与えない配慮を心掛ける とか、フィンキックの際の影響を意識して動くとかでスマートに
いま 皆さんが楽しんでいるこの魅力的な海中景観を今後も長〜く楽しんでいけるよう
一緒に努力していきましょうね!

   あ〜、でも、どうしよう・・
事情も分からず勝手に石などを移動させる訳にもいかないし、
また、その石を変な場所に置いてしまったら、その場所の破壊行為にも
なりそうだし・・。

残念ながら今のわたくしに出来る唯一のことは、しばらくそれが
その場所の自然に溶け込むのを待つことしか出来そうにありません。
何年掛かるのか?? 壊したものは元には戻りませんから。

自然の生命力にすがる思いです☆

こんな愚痴を長い時間掛けて読んでくださったみなさん

ごめんなさい! そして ありがとうございました!

P.S. もし、これを読んで下さったみなさんのなかで、リクエストを頂ければ
あくまでも私達が勝手に「○○に見える」「○○のよう」で楽しんでいる
「シャローパーク」内の下記の場所を海中散歩の途中でご紹介します。
それはまた、皆様のナチュラルナビゲーションの目印になれば幸いです☆

@富士さん
Aペガサス!?のような岩
Bユニコーン!?の角とタテガミ
Cトロフィーのようなザラカイメン
D宝塚歌劇団のステージのようなサンゴ
Eカエルアンコウに見える!?オオパンカイメン
Fエクレア岩と晴&健ご夫妻が命名した根

・・などなど♪