Shall We Dan’s (NO.11)


写真はダイヤモンドリング・皆既日食(全部隠れたのを皆既と言う)・イワシクジラ(水面2頭)・マッコウクジラです。
母島沖の皆既日食帯まで行ってきました。トカラ列島、九州方面、中国は全滅の中、
小笠原、硫黄島近海だけベタ凪ぎ、どピーカンで最高の日食観察日和となりました。
皆既日食率の100%と99.99%は全然違い、部分日食と金環食は皆既とも全然違います。
100%欠けなければ意味がないそうです。皆既日食は見た人しか感動表現できないだろうなぁ。
見たと言う感動よりも一生心に焼き付く体験をしました。「人生変わる」「生活変わる」など簡単に口に出して
言う人がいますが、そんな軽々しく口に出せない超自然現象です。来年はイースター島であるそうです。
「行きてー!」。日食観察後、父島沖でクジラ探し。ウラシマン号だけヒット!。先ずはイワシクジラを軽くヒット
させ観察。上出来の上に即マッコウクジラが2箇所でヒット!。この時季マッコウと一緒に泳ぐことができる
なんて思ってもいなかったので超ラッキー。日食といいクジラスイムといい贅沢すぎる1日になりました。
・・追伸・・伊豆に戻ってから続きをまた報告します。
BY:KEIU 7/24
遅くなりましたが下記は伊豆新聞に寄稿した文章です。一読してみてください!ボクの感動が伝わるかなぁ?

小笠原紀行 その1 〜 皆既日食の巻 〜
 この紀行を進めるにあたっての第一声は、「やられてしまった」です。本紙水曜日の中山千夏さん
「ただいま雑記」で先に書かれてしまったことへのショックです。千夏さんとはダイビング、フリッパー
仲間であり、伊豆で仲良しをさせて頂いています。彼女はプロの作家ですので、私が皆既日食に行って
いることを知り、戻ってから満を持して発表することを見透かしていたに違いありません、絶対に。
日食当日の夜、ウラシマンへのメールに「追伸、千夏です。ケイウさん、早く伊豆に帰ってきてね。
ウッシッシ」というのがありました。暗示だった訳ですね。これからの紀行は、中山千夏・ただいま
雑記
262730を、皆様は多少参考にして頂きながら、私はめげずに稿を進めさせて頂きます。  
 720日海の日に「おがさわら丸」は午前10時に出航、一路父島へ。小笠原7回目の私は今回一人旅で、
たまたま竹芝で知人と遭遇し、船中五人旅となりました。初対面ですが、その内一人が天文学者でした
ので、到着までパソコンでシュミレーション、資料で予習講義をタダで受講でき、有意義な往路でした
(帰りも復習ありました)21日昼前に父島に到着。後輩である「ウラシマン」森下君がお出迎え。
明日の準備をしたいのにそのままダイビングに直行。私はインストラクターなのでしかたないですね。
しかし、夕方は雷雨で、明日の天候の不安と期待で眠れず、その日は過ぎました。
22日皆既日食当日は
5時に起床、気合十分。ウラシマン号は6時半に出航し、皆既日食北限限界地点である母島列島姉島
南海上に
10時前に到着。空はどピーカン、海は超ベタ凪で、最高最良の観察日和となりました。
 
11時半頃の皆既まで、昂ぶる気持ちを抑えつつ、雑談しながら部分日食観察です。同乗した島の
小学生の女の子が突然、「月のウサギさんが太陽を食べてるよ〜」と言って、皆の緊張を柔らげてくれ
ました。日食が皆既に近づくにつれ、少しずつ辺りが暗くなってゆき、肌寒くなってきて、遂に皆既
時間である
1127分を迎えました。日食率9999%と100%では、昼夜ほど明るさが違います。皆既に
入った瞬間に、昼間が夕闇に変わり、海上
360度が夕焼け状態になりました。皆既中は金星と水星も
同時に観察できました。大歓声の中、写真を撮りまくりました。
2分弱の皆既終了直前が次のメイン
イベントです。そう、ダイヤモンドリングです。無我夢中でシャッターを押しましたが、太陽の光は
偉大で、一瞬で昼間に逆戻りとなり、皆既日食は無事終了となりました。今回、小笠原、硫黄島海域
以外の国内での観察は全滅で、世紀の天体ショーを見られたことは、皆既日食マニアの方々
(オタクと
言ったら叱られました
)が言っていましたが、ラッキーに超の字が幾つ付いても足りないそうです。
観察帰りの船中では、「来た甲斐あったね」「天候に恵まれ幸せだね」「遂に念願叶ったり」「生きてて
良かったよ」「帰りにクジラと一緒に泳げて最高だね」などの感激と感嘆の声で盛り上がりました。
でも、言葉では表現しきれない体験でした。そして、「クジラと一緒に泳げて〜」などは
・・・
・・・あとは次回のお楽しみ(千夏さん風)

小笠原紀行 その2 〜 海と自然の巻 〜  
 今回の小笠原旅行は、前回の紀行にも書きましたが、皆既日食を見に行くことがメインであり、本職
のダイビングは二の次でした。通常の「おがさわら丸」は、6日間
(船中2泊)が1行程で、父島滞在は、
到着後の午後から、出航日の昼までの4日間となります。本来のダイビング三昧では到着後2ダイブ、
翌日と翌々日が3ダイブ、最終日の午前中2ダイブと、合計
10ダイブが可能で、ナイトダイブや早朝
ダイブを入れるともっと潜ることが出来ます。ほとんどがダイビング専用ボートでのダイビングとなり
ますが、湾内でも、ビーチダイビングが可能で、エダサンゴや沈船もあります。また、ボートでの移動
中や休憩中に、イルカウォッチングやクジラウォッチングを入れたり、自然保護区の南島に上陸したり
もできます。ダイビング終了後は、夕方には日没、夕陽を見に行き、夜には星座観察や、光るキノコ
(グリーンペペ)観察、オガサワラオオコウモリ観察、ウミガメの産卵観察(夏季のみ)、国立天文台の
レーダー
(通称オレンジビッグペペ)を見に行くツアーが人気です。今までは夜もアクティビティでした
が、今回の夜は居酒屋
(小笠原には沢山あります)通いで、どこに行っても、誰に会っても話題は全て
皆既日食のことばかりでした。

 さて、話しを戻しましょう。到着後のダイビング2本目は湾内入り口の沈船「日吉丸」。この船は戦時
中の貨物船でゼロ戦を積んでいましたが、米軍潜水艦の魚雷を受け撃沈されました。今でも魚雷残骸と
無残なゼロ戦を見ることができます。自然に黙祷してしまいます。2日目は皆既日食観察でしたが、
帰りの行程中、父島裏沖で2種類のクジラと遭遇しました。他の船は直帰だったので当然遭遇できず、
「ウラシマン」だけの恩恵。最初のイワシクジラは船上から見るだけでしたが、次に遭遇したマッコウ
クジラとは、なんと一緒に泳ぐことができました。この時季としては期待外れの大物との遭遇となり
ました。翌日は父島周りで3ダイブ。勝手知ったる海中なので、陸撮を多めに撮ってみました。
島の岩肌は、溶岩流が固まって隆起してできた珍しい「枕状溶岩」
(岩石名ボニナイト)がいたるところで
観察できます
(ボニナイトは西小校長室にあり)。また、旧日本軍の防空壕や格納庫跡、トーチカ跡が
沢山残っています。海中には、「星の砂」の一種の「人魚の銅貨」が多いのも特徴です。この日の帰りは
突然の豪雨で、気分も沈み気味のところに、素晴らしい二本の虹が出現しました。これを見た瞬間に、
東小と下田朝日小の子供たちの顔が浮かびました。出航日はダイビングをせずに、伊東からこの島に
移住して、「バンガロール」という土産店を経営している田口さんのところに挨拶に行きました。
田口さんはいつも温かく迎えてくれて、伊豆の話しを興味深く聞いてくれます。

 最後に、中山千夏さん、親友「ナッソーダイブ」の柳田氏、お客様方々へ。皆様はジンベイザメや
マンボウと泳ぎ、マッコウクジラは「見すぎてもう飽きた」なんて言っていたらしいですね。私は皆既日
食とマッコウクジラで何とか対抗できました。でも他は見られても日本での皆既日食は
26年後ですよ。