知床・流氷ダイビングの巻き

2/14(木)〜17(日)という昨年とほぼ同時期の日程で出掛けた北海道・知床。
今年の「流氷ダイビングツアー」もやっぱり凄かった!!
写真集コーナーも(随時追加中!)ぜひお楽しみ下さい!!  4/13更新

 今年も行ってきました「知床・流氷ダイビング」!!
ご承知のとおり、今年は関東もたびたび雪の降る寒い年・・。
出掛ける数日前には知床の気温がマイナス14度・・なんてとんでもない数字を示していたりして・・。
なかばやけくそで「えいっ!どうせ寒い所に行くのなら《極寒》ってやつを経験してやろうじゃないか!」・・と、
意気込みながらも、想像をはるかに超える気温に耐える装備すら思い浮かばず・・。
最終的には、ホカロン山ほど荷物に詰め込み準備完了!!ホントにこれでいいの????

やはり羽田空港出発間際には{女満別空港に着陸できない場合もあります}アナウンス・・。
爆弾低気圧がいるって!?でも、誰一人動じていません・・。何故??????
結果的には妙にスムーズに予定通り到着し、880円を各自手にしっかり握り締め、空港前からバスに
乗り込みました。あれっ!?寒いどころか暑いよ〜ぉ・・。コートを脱ぎ薄着でも気持ちい〜い!2度。
車窓の景色は刻々と変わり、そろそろ乗換え予定で見覚えのある景色であるはずの網走駅・・なのに、
停まったところは記憶に無い景色で「やばっ・・」・・もう少し先かなぁ??・・って動き出したバスの窓から
見覚えのある網走駅が目に飛び込み・・、あわてて「ここ!ここ!止めて〜ぇ!」・・とやってしまいました。
【ここからのお話しは聞きたかったら遊びにきてね!】・・とにかくやっぱり珍道中にしてしまいながらも、
なんとかホテルに到着。荷物を解く時間すら待てない勢いで、楽しみのひとつ{夕食のビュッフェ}へGO!
 明日からお世話になる「アクアサービス流氷」の加藤ヒデキ氏も加わり、明日からのダイブに備えた
ブリーフィングもかねた会食が始まりました。寝る前にお風呂に入って明日に備え、吹雪の音を子守歌に
一日目は終了。

 翌朝、2日目は早くから朝食をたっぷりゆっくりとり、準備万端で迎えの車に乗り込みました。
到着した場所にはすでに多勢の人々が氷上にいるではありませんか・・。ビックリ!
こんなに流氷ウォーキングなどが人気になっていたのにも驚きました。
陸(海岸線)と海の境目も無い一面真っ白な広大な氷の広場・・。ここが牧場・・と言われても
納得できるほどの景色。これでお日様でてたらなぁ・・と、贅沢なつぶやきをしてみたりして・・。
 それぞれドライスーツで身を包み、フードにグローブで完全防備。ソリに器材を乗せて氷上に空けた
穴のところまで、ペンギンの行進のように恐る恐る・・の足取りで向いました。途中何度と無く高音の
『きゃ〜ぁ!』・・が聞こえました。(これは後ほどお話しましょう・・)

 流氷の上に空けた穴のところに腰を下ろし、凍りつく器材にお湯を掛けながら装着してドボン・・。
ぶ厚い氷とその下のシャーベットの層を抜け出ると、そこには以外に明るい海中が広がっています。
強弱をくりかえしながら降り続く雪の陸上とは全く異なる、そして通常FANダイブをする温暖な海中とも
まるで違うマイナス2度の世界・・。わたしたちがわずかに動かす海水が頭上の流氷の塊に伝わり・・、
吐き出すエアーの泡が氷をつたい流れるのを、不思議な感覚で眺めてしまいました。耳を澄ますと
ギシギシと流氷が動いている音が聞こえ、その重なる隙間から差し込む光がなんともいえない淡い
グラデーションとなって、海中舞台を照らし出していました。「はっ・・」となって我に返ったのは、ガイドの
ヒデキ氏の{戻るよ〜ぉ}サインを目にした時でした。本当に文字通り《あっという間》の海中散歩でした。

 海から入ってきた氷上の穴に戻って顔を出すその様は、まるでアザラシのよう・・。
・・なんて考えている間も僅か・・凄いGOODタイミングで背後から引き上げてくれる逞しい児玉さんの
おかげで何の苦も無くエキジット!脱いだ器材の1stステージが見事に凍り付いているのが潜水時間
の限界を否応無く教えてくれました。休憩をはさみ、本日2度目のエントリー。勝手のわかったみんなの
スムーズな動きに余裕もみられ、クラモトサンが見つけた流氷の天使{クリオネ}にみんなの瞳もいっそう
輝きを増し、やっぱり興奮のまま2ダイブ目も終了。ドライスーツを脱いだ我々を待っていたのは毛ガニ汁。
おにぎり片手にハーフーハーフー・・。誰も寒い・・なんて言いません、どころかまだまだ遊び足らない様子。
とはいえそろそろ時間も気になる・・{夕食前にゆっくり露天風呂も楽しみたいし・・}・・ので、本日オープン
のコンビニ「7/○○」でコンビニマニアを自称する児玉さんお勧めの北海道限定商品をなんだかんだと
しこたま買い込み(いいお土産になりました!)ホテルに戻りました。その後はご想像通り!
広く多彩なお湯を楽しみ、目の前に並ぶ料理の数々に試合を挑む勢いで精一杯??いいえお腹いっぱい
やっつけちゃいました!満足&満足。。。。この夜は静かに(いくわけないよね・・)いつものようにデジカメの
映像見ながらのLOGタイム。なんとあの高音の主はシホチャンで、とにかく度々穴にハマるのでした。その
回数たるや彼女以外の4名の数を合算しても足りないダントツの{穴落ち娘}でした。 こんな楽しいネタ(!?)
を見逃すようなメンバーではありませんから、マイムマイムまで飛び火して笑いっぱなしの2日目の夜でした。

 3日目の朝もまずはガッツリ朝食から・・。全員揃って食欲も落ちていません。絶好調!!
迎えの車を待つ時間も惜しんで、ドライスーツに身を包みホテルの前の吹雪の中に飛び出てみたり・・。
流氷の海は昨日にも増してガッツリ氷が重なりあって、これぞ知床の海!・・というものを見た感じです。
 今日は我々以外にもゲストがいらして、ダイビングスタッフさんたちも大忙し・・。でも、我々は大丈夫!
ほっとかれても勝手に遊んでま〜す!もちろんちゃんと準備も整っていま〜す!でも、なんだか時間が
経ち過ぎでは????と思っていたら、なんと流氷が厚くて氷に穴が開きません。チエンソーがギュンギュン
苦しそうな音をたてて、みんなで大きな氷の塊を何度も何度も退かすのですが、まだ重なり合った氷の底は
出てきません。近くでは大きな流氷の島がミシミシ音をたて、動いているのもわかります。
マイムマイム・・の魔法(!?)も効きそうにありません。なんだかんだで2時間以上もの格闘の努力も自然の
力には及ばず、急きょポイント変更をして潜ることとなりました。こちらの海には{クリオネ}がたくさん・・
本当にたくさ〜んいて、おおきな塊の流氷と共にまた不思議な景観を作り上げていました。

ここでのダイブも無事楽しく終了し、よいこたちのDAN’Sメンバーは自分達の器材をソリに乗せ、手際よく
片付けていたところに、地元テレビ局の取材スタッフさんたちが・・。ちょっとだけインタビューされてみたり
したのですが、遊びたい・・のかジッとしていられないのか、結局後の皆さんの片付けのお手伝いに行って
「お仕事」・・をしてしまったメンバーたちでした。戻ってランチ(毛ガニ汁)も温かいハウスの中より吹雪く
外を望んでアウトドア派の意気込みムンムン・・って、ただ熱かったから外がいい・・としただけなのですが
そんなわたしたちを珍しそうに眺める目線がやや痛かったのですが、備えあれば憂いナシ!準備万端の
我々はなんといっても寒くない!!・・だから強い!食後の時間も惜しんで流氷ウォークに出掛け、変わらず
穴落ちを続けるシホチャンにつられ、ミッチャン&カッチャンやクラモトサンまでドボン・・ドボン・・。私も
つられて(!?)ドボン・・。朝からめちゃめちゃ動き回った1日でした。そして温泉&食べ放題の夕食・・の後、
オーロラファンタジーを観に出掛け、ムーディーなひと時を(右から左へ受け流し・・って??)堪能し、
その夜も笑いに包まれたLOGタイムののち、静かにアクティビティーな一日は幕を下ろしました。

 翌朝はここでの最後の朝食を惜しむように、いつもよりいっそうたっぷり&ゆっくり頂いて、荷物をまとめ
 ホテルを後に。送迎バスで網走刑務所近くまで行き、刑務所周辺を散策ののち、時間調整も兼ねてランチ。
そして、再びバスに乗り空港へ・・。途中シカが数匹山中に見られました。キタキツネが草原(!?)を走り抜けて
いました。オジロワシも度々見掛けられましたが、今回の旅の最中はそのほとんどの時間を流氷の上で
過ごしたので、どこまでも続く氷の海の白さ・・がなにより強烈に脳裏に焼きついています。
 この素晴らしい景色が地球温暖化により失われていくのをなんとかして減速させたいものです。
だって、このレポートを見てくださっているあなたにも、是非この見事な流氷の海を見せてあげたいから・・。

 今回のツアーは知床の冬・海遊びの旅としては完璧な程のものだったと言えるでしょう。
ミッチャン&カッチャン、筋肉痛に泣かされていませんか?シホチャン、足の具合はいかが?
クラモトサンは今週も温泉・・とか。みなさん元気で動き回っていてくださいね。
「アクアサービス流氷」のみなさま、安全で神秘的・魅力的なアイスダイビングの完全サポートをありがとう!!
楽しかったね〜ぇ。みなさま本当にありがとうございました!

                                                                                                           REPORT: Michiyo ’08/2/19  記 

ちょっとP・S・・
 やはり大自然の中へその素晴らしさを味わう為に出掛けるのならば、それ相応の装備&準備をして行く・・。
そして迎える側もその自然を守り続けるために、様々な工夫やルール作りが今以上に必要だろう・・と・・。
マナー・・という人々を繋げるやさしさが千切れかけている今だからこそ考えたい・・。世界遺産となった場所
に出掛けたことによって、切実に感じる「無駄」と「過剰サービス」と「地元のみなさまの実生活とのギャップ」
これらは今まで出掛けた全ての観光地でも同様の違和感を持つことがほとんどです。
 いつもは海中ばかりに心奪われていますが、このように旅行としての意味合いも多く含む旅の場合は、
また一味違った方面からの自然との関わりを見つめ直すいい機会でもあり、今後の活動にも反映させて
いきたいと思いました。